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Vリーグ50周年アンバサダー対談

大林素子× 山本隆弘

大林
昔は3連戦が多かった。全部フルセットで、3日間すべて移動。今日は山口県のここ、明日はここ、明後日はまた別の場所、というのが当たり前だったね。
山本
県内だったらまだいいですよ。僕らは九州横断したことがあります(笑)。宮崎、鹿児島、大分。終わって2時間半かかって移動して、帰りも試合が長くて帰れない。
大林
旅館のお風呂が終わっていることもしょっちゅうだった。フルセットが2試合だとホテルに戻るのが22時を過ぎることもあるから。でも3連戦でそれだけ移動があっても試合をできていたし、もちろん今とは比べられないけど、ルールも違ってもっと大変だったような気がする。だからあの当時の選手はたくましかったし、体力があったと思うよね。
山本
今の選手が同じ状況でやったら、無理です、ってなるでしょうね(笑)。
大林
しかも日立は、試合の成績が悪いとそのまま帰って日曜の夜に体育館で練習したもん。翌日も休みじゃなかったし、そもそも3、4か月は休みがない。
山本
それはきついですね。

大林
慣れだよね。そういう生活が全然普通だった。日立の場合はソウル・オリンピックが決まってからは、普段の練習も、試合前だろうと、仮想イトーヨーカドー、仮想ユニチカという練習は一切せずに、仮想ロシアでオギエンコとかスミノワとか、試合直前までロシアの選手の名前をつけて練習していたの。もうすぐ試合が始まる日本リーグのチームが横にいるのに、対ロシア(笑)。でもそのぐらい練習していたし、オリンピックで勝つためにも今日の試合は必ず勝たなきゃいけない、という意識づけがすごかった。オリンピックの組み合わせが決まった瞬間からずっとそう。だから、国内のリーグで戦う相手からすると嫌だっただろうなぁ、と今は思うよね。
山本
その時から世界を見据えてのチーム強化なわけでしょ。でも今のチームがそれだけ見据えているか、というとクエスチョンがつきますよね。
大林
確かにそうかもしれないね。私たちがラッキーだったのは全日本と実業団がそのままつながっていたから、全日本のサインは日立のサインだった。だから私たちのサインは全日本経験者ならば全員知っているから、その時だけサインを変えていたので「Vリーグだけサインを変えるのがめんどくさいね」という感じだったの(笑)。でもそういう時代のほうがある程度組みやすかったし、芯のある作り方はしやすかったのかもしれないね。
山本
しかし改めて見てみると、ユニフォームの進化はすごいですね(笑)。

大林
オリンピックの前はだぼっとした長袖のユニフォームで、その後は半そで、レオタードも着た。魅せるバレーを意識して、当時のキューバもレオタードだったからそれをまねて取り入れたんだけど、実際に試合で着たら久美さん(中田久美、現・久光製薬スプリングス総監督)が「やっぱり嫌だ」って(笑)。
山本
動きやすいのは動きやすい?
大林
それは間違いない。逆に短パンのほうが下着が見えちゃうかもしれないから嫌だな、と気にする選手もいたし、レオタードだと生地の面積が広いからレシーブの時にすべるのもよかった。ただ、ボディスーツを着て、レギンスを着て、水着を着て、と結構いっぱい着ていたのでトイレが大変だったなぁ(笑)。
山本
それ試合中大変でしょ。間に合いませんでした!みたいな人はいなかった?(笑)

大林
いないよ(笑)。でもお腹が出るのを気にして、前の日にあんまりご飯を食べないとかはあったかも(笑)。
山本
最初はだぼだぼの長袖ユニフォームですもんね。それは僕たちも同じ。しばらく長袖でしたよ。
大林
前衛に行った時は腕をまくっていたから、当時の写真を見るとだいたい腕をまくっているんだよね。
山本
僕もこういう腕まくりの仕方を練習していましたよ。
大林
まず半分にギュッと折ってから、ボンボン、って適当に折ればいいんじゃないの?
山本
いやいや。それだと袖のところが伸びちゃうし、腕の部分がグチャグチャになっちゃうから嫌で(笑)。袖のゴム幅に合わせてきれいに折るとゴムも緩まないし、きれいになるので、結構キレイに折っていました。
大林
うわー、几帳面(笑)。でもバッグの入れ方とかもいろいろと性格が出るよね。昔はフェルトで手づくりの衣装ケースをファンの人にいただいたので、サイズごとに何をどう入れるとか、みんな一生懸命考えてやっていたなぁ。

山本
そう。使うものから上に入れて、使わないものは下に入れる。パッキングは大事。重量制限もあるし。昔のバッゲージは重いからあんまり入らない。
大林
そうそう。懐かしいね。しかも移動もジャージだからどの空港もホテルもジャージ。その当時はお気に入りだったけれど、今見るとすごく恥ずかしいTシャツをジャージの上に着ていたり(笑)。泊まるホテルによってはジャージお断りのところもあって、裏の従業員が入るところから客室に入れられたこともあったもん。
山本
そういう立派なホテルに泊まれるのがすごいよね(笑)。僕らにはないですよ。

大林
昔は最後までリーグ戦だったから、最終戦まで行かずに優勝が決まる時もあったじゃない?他のチームの結果次第で優勝が決まる、という時に部屋で待機していたら、対象になるチームが負けて、優勝が決まったことも実際に自分たちがその場で勝って決めたわけではないけれど、でも優勝はやっぱりうれしいから、ホテルの廊下でイエーイ、って走り回っていたら怒られたこともあったよ(笑)。
山本
レギュラーラウンドが10チームになったこともあるし、今はファイナル6やファイナル3もある。いろいろ変わっていますよね。
大林
今季もまた新しいルールが採用されたり、変化もある。今は漫画の『ハイキュー!!』も人気があるし、『ハイキュー!!』を見て「よし、バレーをやろう」と思った人たちにも、ぜひVリーグを見てほしいね。実際のプレーを見て、あれ? 『ハイキュー!!』と違う、と言われないように選手は頑張ってもらわないとね(笑)。
山本
『ハイキュー!!』を読んで実際のトップ選手がどういうプレーをしているか、漫画と現実の違いを探るのもおもしろいでしょうね。漫画のほうがすごいな、と思われてもいいし、見比べるだけで参考になる(笑)。
大林
ぜひ会場で見てほしいね。バレーボールっておもしろいな、と思っていただけたらうれしいし、自分もやってみたい、と思われたらうれしい。
山本
ぜひ会場へ見に来てほしいですね。
(続きは月刊バレーボールへ)

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